ワイオ時事評論No.69 日本国憲法

安倍政権が誕生して、自民党の結党以来の悲願である憲法改正が話題になっている。護憲派の方々は、改正でなく改悪と言う。基本的には、日本国の一番元になる法律であるから、日本国民が全体で考えて創ることは、当然すぎるほど当然のことである。それが、終戦のどさくさにまぎれて、GHQがアメリカに都合のいいように、つまり日本国の強さに恐れて、また、原爆や都市への無差別大空襲など、大戦争犯罪に対する報復を恐れて造った憲法である。以来、改正の話を持ち出しただけで、アメリカにすっかり洗脳された左翼系の猛反発で抑えられ、今日に至っている。

 

世界広しと言えども、憲法を他国に造られ、押し付けられて、ありがたがっている国はないであろう。つまり護憲派の方々は、分かりやすく言えば、日本国民は愚か者が多いから、あんな立派な憲法はとても創れない、なんといっても必死にこの憲法を守ろうとしている我が政党が、何度選挙をやっても、少しも議席が増えないのだから、世界一戦争に強い、世界一の経済大国、つまり、世界一賢いアメリカさんが造ってくれたのだからそれでよいと、未だにアメリカの従属国としては当然の選択である。ロシアに漁船を不当に拿捕されても、国民を拉致されても、領土を奪われても、それは些細なこと、少しの犠牲は仕方がないと考えているのである。

 

憲法と言えば、第九条、その主旨は、平和主義条項として、「国際紛争解決の手段として武力をもって威嚇しない。戦争はしない。」と云っている。しかもこの憲法は、世界唯一の平和憲法であると思っている。しかし、このような平和憲法は世界にたくさんあるのだ。そう言いながら、世界最強のアメリカ軍に大金を払って、核の傘で守ってもらい、威嚇の形をとっている。大きな矛盾である。

 

しかも、この九条のおかげで、日本は戦争に巻き込まれなかったとまで言っている。朝鮮戦争でしっかり儲け、ベトナム戦争ではアメリカにしっかり協力している。参加しているのである。つまり、自国にマイナスでない戦争であれば、兵士が武器をもって参加しなければよいといっているのである。第二次世界大戦の最大の教訓は、平和主義者がヒトラーを暴走させ、大戦争になってしまったという事である。明治憲法に少し修正を加え、軍部の暴走を防ぐことができれば、世界第二位の経済大国の実力をもってすれば、アメリカなどと同盟を結ばなくても、完全な独立国となって、他国が一歩も手を出せない、世界から尊敬される国になっていたのである。

 

何と言っても、日本軍の強さは、日露戦争、大東亜戦争で、世界に知れ渡っている。拉致、拿捕、領土問題など何も起こっていないのである。九条があったからベトナム戦争にも巻き込まれなかったというが、日本本来の武士道精心がアメリカによって消されなければ、あのような不正義な戦争に参加する訳がない。アメリカの従属国であるから、アメリカに逆らえずにいるのである。

 

したがって、憲法問題は、石原慎太郎氏の言っている、今の憲法を放棄して、国民全体が参加して、新憲法を創るのが正しいのである。憲法学者の清水澄氏は、GHQの造った憲法に自決までして抗議した。碩学大儒(セキガクタイジュ)の小室直樹氏は、日本が今、抱えている全ての問題の原因を辿っていくと、憲法に行きつくといっている。さらに憲法を語ることは、人類の歴史を語る事であるとも言っている。人類の、日本民族の歴史を正しく知った上での新憲創りがなされなければならない。

 

人間そのものを正しく知るために、そして、人格形成のために、歴史学ほど重要な学問はない。今の文科省の受験用の勉強では、とても人格形成にはならない。さらに歴史の本質、人間の本質を知るには、ワイオ理論を学ばなければならない。最後に、日本国憲法さんの思いを聞いて頂きたい。

 

「この日本において、日本の方々が、我が国を愛し、国民のためにと吟味され、改正していくことを願っています。日本の多数の方々が、人に左右されることなく、日本独特の国民性をもって、世の中がよくなっていくことを、一日も早くその方向に行くことを願っています。」

 

全ての存在に心がある。その心を大切にすることが、皇の時代、精心文明の創造である。日本国憲法さん自身が、誕生以来、辛い思いを心にもちながら、今日に至っている。