ワイオ時事評論No.143 諸行無常の響きあり

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。奢れる者、久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。」平家物語の有名な文言である。

 

祖から皇の時代への原因の世界の動きを知る者にとって、この文言ほど、今の時代表現に相応しいものはないと思う。現実の世界を見ても明らかなように、盛者必衰は、アメリカ、中国、EUと、その衰えは隠せない。衰えは、国だけではなく、先に記した経済界も、宗教界も、教育界も、政界も、どの分野においても、それぞれ立派な肩書きを持った方々の隠されていた正体が、次第に暴露されてきている。朝日新聞の謝罪会見報道にみられるように、知識人の読む新聞だと、自他共に認められていたと思ったら、自社だけが思い上がっていたことがはっきりした。マスコミ全体が同じような体質で、まともなのは産経新聞ぐらいのようである。

 

国会議員の無能、無責任の様も、特に民主党が政権を担当して、より明らかになった。立派な人生観を持っての言動の思想家、教育者も、ずっと以前より、偽善者としての化けの皮は剥げていたのであるが、今後、急速に、多くの人々の知るところとなっていく。世界の宗教指導者の頑迷(がんめい)固陋(ころう)な愚かさは、特にイスラム教にみられるが、かといって、キリスト教がこれからも必要というわけではない。

 

いずれにしても、各分野における、祖の常識、知識での諸行が必要なくなったということである。が、さらに、あれば害になることが、まもなくはっきりする。祇園精舎の鐘の声ならぬ、ワイオ理論の声が、無常を告げているのであるが、無情にも人々の耳に、脳に、心に入っていかない。

 

奢れる者、久しからずの現実は、来春か?夢でない現実の事として知ることになるかもしれない。日本のみならず、世界の奢れる者、久しからずは、高山正之氏の「変見自在」に、痛快に語られている。多くの人々にお勧めしたい書である。高山正之氏も、新時代創造の核となる御魂である。