つくりあげられた仮の自分と共に歩く、幸せへの新しい道

頭では、これからの時代は、ルールがこのように変わる、生き方がこのように変わる、その上で、これはもう自分には必要なくなるとわかっていても、心がそれを受け入れきれない、受け入れられないでいることがある。それは実際に、納得ができていない方が、自分の中にいるからということが多い。

 

具体的な事例を紹介したい。

 

Aさんは、20年近く、学ばれ続けたものがあり、その学びを活かし、講師としても活躍をされ、多くの方々からの相談を受けてもこられた。人の何倍も一生懸命にされたそうだ。その過程の中で、その事を学ぶ自分、その事を教え伝える自分、その事で相談を受ける自分がつくりあげられていった。そして、それを否定するような、教えと違うようなものを受け入れないように、つくられた自分を維持していくためにと、心の外側に扉を3枚つくりあげた。このことによって、顕在意識、顕在の自分とは別の、その事を一生懸命に学ぶ仮の自分という存在が確立された。顕在の自分の外側に、別の自分、つくりあげられた仮の自分がいて、まるでそれが、もともとの顕在のような振る舞いをする。

 

このようなことに、時折、出会う。

 

仮面という言葉があるが、実際に見えない仮面をつけて生きているということもある。

 

学んできた内容が、これからの時代のルールとエネルギーに基づくもの、これからの時代にも必要なものであればよかったのであるが、多くはやはり休まれていくものである。

Aさんの場合は、つくりあげた自分と心の扉さんの影響により、顕在の自分が皇の道の方へと進もうと決心をされても、手放しきれない思いもあり、そこに葛藤が生じ、そのことによって顕在のAさん自身も苦しくなるという悪循環に陥られていた。

 

これまで長年、一生懸命やってきたものが、突然、もう終わりだと告げられても「そうですか。分かりました」と、心から納得して言える方のほうが少ないだろうと思う。

これまでの自分にとっては、間違いなく必要であって、その事によって助けられてきた。そして成長もさせてもらえた。そのすべてを否定しているわけではなく、必要な過程だったのであり、その過程のおかげで、今の自分がある。感謝と労いの思いしかない。そして、できれば、これからも共に歩んでほしい。一緒に幸せになっていきたい。だからこそ、あなたのために変身のお札を書かせてほしい。

 

そうした心のやりとりを経て、Aさんのつくりあげられた仮の自分さんと心の扉さんは、変わるという決心をして下さった。

 

長年やってきたことを手放す時期にきているとわかってはいても、それは容易ではない。一生懸命やってきた方、思い入れのある場合ほど、手放すのは容易ではないだろう。

皇のルールに合った生き方をしようとする顕在本人の強いきもちや努力ももちろん必要だと思うが、それでもなお、前に進み切れない場合には、今回の事例を参考にして頂けるかもしれない。

 

知識として取り入れて定着してしまったもの、中に入り込んでいるエネルギーなども、お札さんに乗ってもらい、休んで頂いたり、変身して頂くことも可能だ。